2003年4月25日

肥後物産通信4月号 畳屋さんからの質問

【産地状況】
4月となりこれから上物が動くシーズンを迎えましたが、畳店の出足、売れ行き共
に今ひとつのようです。売れ行きの低調さから産地、消費地ともに在庫の手持ちは少
なくなっています。産地ではこれから次第に草質が落ちてくると思われ、良質の草の
上級品に関しての品揃えは場合によっては困難になることも予想されます。生産農家
では、生育中のい草の先刈作業に取り掛かり引き続き、杭打ち、網掛け等の作業が始
まります。

【今回頂きました質問】
今回頂きました商品使用の感想と質問です。
投稿ありがとうございます。
ユーザーの皆様のご意見を生産者へ伝え、1歩1歩ですが、
より支持される産地づくりを目指したいと思います。

[Q]
農家名=Iさん
品名=太麻表 
感想=見た目的には 色の統一感があり、細めのイグサなので目が詰まった感じに見
えよく見えます。
気になった点は染土が濃かったのか、非常に粉っぽくて仕事がしにくかったです。
また、織りに関しては所々「い切れ」があり、きになりました。
これは、イグサが細かったので身が入ってなかったのか、又は 染土が多すぎてしま
ったせいで、イグサが乾燥し過ぎたのでしょうか??
(投稿者名と農家名は伏せてあります)

[A]
一般に、藺切れが起きる原因として考えられるのは、
「草の粘り」と思われます。この粘りが足りないと、
縦糸の張りに負けて藺草が切れます。
これがほとんどの原因と思われます。

表の重量からすると20キロほどの打ち込みがあったと思いますが、
身の入りの乏しい草は打ち込むほどにつぶれ、
縦糸の張りに耐えられない部分から、切れてしまいます。
草が細く、粒揃いの良い物は、表の仕上がりも滑らかで綺麗ですね。
しかし、ねばりの部分が草作りの一番の難しさです。

また、時に「カシ」(藺草を織るときに藺草に水分を含ませる事)
のやり方によっても藺切れが発生します。
藺草を織る時に水分を含ませることで藺草にしなやかさが戻り、
縦糸に沿って柔軟に曲がり、畳の目が出来ますが、
水分を含ませずに織ると藺草はもろく、藺切れが発生しやすくなります。

今回の場合は、草の粘りが足りないのが原因と思われます。
生産農家にもしっかりと伝えたいと思います。

 【消費者から頂きました質問】
なぜか消費者よりホームページから投稿がありました。
下記のようにお答えしましたが、原因はともかく表皮がむけるといった症状の問い合
わせは多いのでしょうか?

【変更のお知らせ】
ご利用頂いています在庫明細表の「色合い」は無着色が増えてきたことと、そうでな
いものも薄くなり、ほとんど「2」のコードでした。
一方、これから早刈りが増えてくるため「硬さ」という項目へ変更しました。

【次回予定】
畳表の品質の良いものは「彼岸から彼岸まで」(秋分の日から春分の日まで)と私た
ちは思います。
次回はこの点について書いてみたいと思います。
何かリクエストがあればメール下さい。お待ちしています

投稿者松永:2003年4月25日 13:08

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