2007年1月15日

肥後物産通信1月号 新春熊本状況報告

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
今月は年の初めという事で、今年の仕入に参考になるような情報提供を目的にまとめてみました。 皆様方の今年1年の仕入に役立てばと思います。

■生産状況
多くの農家では今月10日頃より生産が再開されていますが、
現時点では出品は少なく本格的な出品は例年通り20日過ぎからとなるようです。
また昨年秋以来、五八糸引の下級品の生産が少ない状態です。

■作付面積
熊本県全体の作付面積は約2〜3割減と予想されます。
内訳としまして、産地中心部の減少が多く、周辺部は1割減ぐらいと思われます。
今後の熊本県産の生産枚数は農家戸数が減っている分の減少が予想されます。

■原草の消化率と流通在庫
全般に短かった事もあり、例年より進んでいると思われます。
流通在庫はすべての段階で少ないと思われます。

■今後の品質について
秋口に本刈りの長い草から中心に生産してきましたので、
これからは中間刈りの草、本刈りの短い草の生産が増えてくると思います。
品質面では、昨年春先の日照不足の影響から新芽の伸び上がりが少なく、
昨年より短い草ではありましたが、全般に草質は硬く、実入りの良い製品が製織されると思います。
一方、在来種の古芽に大きめの花が付いているようです。
花が大きい分、選別のときに取れるかもしれませんが、下物の畳表には花が付くことも考えられます。

■1月の製品について
この頃の製品の特徴は日干し時の日光が弱いこともあり、
農家によっては十分に日干し出来ていない場合があります。
このような製品は、もし8月まで寝かせた場合、カビが発生しやすい傾向にあります。
社内検品では湿度検査に注意を要します。
畳表を握って、「コシがある、ない」など言われますが、
十分日干しした農家の製品は織りたては握りは柔く感じます。
しかし、寝かせて時間が経過すると徐々に握りが硬くなってきます。
逆に日干しを十分しないと、織った時点で同じ充実度の草では「握りの硬さ」は若干出て、重量も干していない分、若干増えると思いますが在庫する場合は注意が必要です。

草の実が充実した製品は同じ重量であれば「握り」は確かに硬いと思います。
購入時は「握りの硬さ」も1つの目安と思いますが、
この頃の製品は十分日干し乾燥してあるか、湿度計は10%以下かを注意しています。

■2月以降の製品について
・2-3月は生産枚数は多い
・4-5月は外仕事が始まり、2-3月より少なめの生産
・6月までは供給面では昨年実績では、ほぼ十分ありました
・7-8月は刈り取りで思うような品が入りにくくなる
 入荷はせず、ほぼ在庫だけで販売する形となります
・9月には新草を一斉にみてみようと、注文が集中する
 相場はここで急騰し価格面でリセットされる
・10-12月は全般に品薄状態で高値維持。品質面では最高に良い時期
 以前はお盆を過ぎれば良いとされてきたが、近年は温暖化現象のせいか
 10月より色合いなどは落ち着いてきています

年内に新草で使用される場合は変退色の問題が年に数件と発生しやすいようです。
そのため年内使用時は古草が望ましいように感じています。
秋の仕入の製品は春以降に使用されることをお勧めします。

■新品種について
有明5号は実験段階で一部の農家に出回りましたが、正式には今年苗を配布し、来年に「夕凪」として出回る事になると思います。有明6号は更に1年後に苗を配布し、2年後に刈り取りとなります。

投稿者松永:2007年1月15日 14:49

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