2009年5月25日

肥後物産通信5月号 「畳表に使用するイ草本数」

【畳表に使用するイ草本数】
畳店様においては、一般消費者へ品質の違いを説明する際、「畳表に織り込
まれているイ草の本数」を説明されているところも多いのではないでしょうか。
そこで、弊社の品質等級によるイ草の織り込み本数の違いを調べてみました。計測方法

 ・10㎝当たりのイ草本数を数え、畳表1枚の長さを掛けました。
  例:五八サイズ 300(本/㎝)×19.4(長さ1940cm)=5820(本)
 ・等級の上位より久・登・喜を基本にして、ひのみどりと在来種(夕凪)を調べ
  ました。
結果
 ・等級とイ草の織り込み本数の関係をグラフにすると以下のようになりました。
  (対象数の多い、五八サイズの「ひのみどり」と「夕凪」を計測)
igusahonsuu.jpg
グラフからの推察
 1)「ひのみどり」は等級に比例して、イ草の織り込み本数も多くなっている。
  一般的に高級品になるほど、イ草の本数も多くなると言えるのではないか。
 2)「夕凪」は等級・重量に関係なく、1枚当たりの織り込み本数に大きな差が
  見られなかった。
  これには、イ草の茎の太細と硬さ(充実度)の違いが考えられるが、等級が
  上位な物ほど、充実した堅い草で茎の太さも均一なイ草が使用されており、
  品質面では大きな差が見られる。
 3)糸引き表は一般に、麻物より重量が軽く、織り込み本数も少ないと考えがち
  だが、重量の割りにイ草本数は使用している事がわかった。
  選別(番手)が下位になるほど、相対的にイ草の茎が小さく、茎の充実度が
  低い新芽が混ることから、イ草が潰れ、織り込み本数が増えるのではないか
  と考えられる。

 

honsuu_gurafu.jpg

まとめ

一般的に、等級が上位で重量があると、イ草の織り込み本数は多くなると考えて
いましたが、「ひのみどり」のように茎の充実度があっても、元々茎の細い品種と、
「夕凪」のように選別(番手)が下位になるほど、太いものと細いものの差がある
品種では、傾向が違ってくることがわかりました。
 このことから、お客様へ品質の違いをご提案される際には、「織り込み本数」と
共に、「茎の充実した草かつ大きさが均一」という点もポイントとして、お伝えして
いただければと思います。
「茎の充実した草」については下記を参考にして頂ければと思います。
▽熊本畳表 品質Q&Aパンフより

Q&A_2.jpg

皆様からのご意見やお気づきなどがございましたら、お知らせください。

投稿者森岡:2009年5月25日 17:54

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