2005年1月25日
肥後物産通信1月号 新春報告
【産地状況】
17年度新春情勢懇談会での産地状況発表内容
◎作付面積
農協担当者に聞きました。
・千丁地区・・・5%減
・竜北地区・・・5%減
・竜中地区・・・10%減
・鏡地区・・・5~7%減
熊本県全体の作付けは約5%減と予想されます。
また作付は減っていますが、ひのみどり品種の作付は増えているようです。
しかしその伸び率は鈍化しているようです。
作付が減っている理由として
・台風の影響から原草消化が進まず、持ち越しが考えられる。
・反収が上がらずイ草栽培での経営が厳しい。
・栽培農家の年齢層が高く後継者がいない。
などが原因だと考えられます。
◎品質
・全体的に粒が太くヤケが目立ち、茶根で堅いイ草となりました。
(詳しくは9月号をご覧ください)
・今後、中間、早刈が生産されますが、在来種とひのみどりの短めの草が
生産されてくると思われます。
・在来種は、一部にヤケ、着花があるようです。
・昨年よりは在来種もひのみどりも、実が入って硬めの草が多いと思います。
◎原草の消化
(例年この時期では5割程の消化が考えられます)
・千丁地区・・・5割消化
・竜北地区・・・4割~5割消化
・竜中地区・・・6割消化(他地区より短い草が多く、上物中心の生産から
消化が進んだ)
・鏡地区・・・4割消化
去年は台風が多い年になり、台風被害にあった農家が家の修復に1~2週間
くらい時間を費やしたため、草の消化が例年に比べ遅いようです。
◎製織状況
生産枚数は15年度と比較しますと、約1割減となります。
(農協市場の場合で新草出始めの7月~12月までの経済連集計)
主な原因として
1、台風が例年より多く、雨天時が多かった。
・雨天時の製織は色違いの原因になりやすい為、製織を控える傾向にある。
2、生産農家の取り組み(高品質な畳表生産)
・ひのみどり品種の生産が増え、ひのみどり特有の草の細さからくる織り
上げにかかる生産時間が伸びたこと。これらの結果、1日に15枚前後織
れていたものが、10枚前後の生産性と3分の2程度に落ちた。
・高品質を保つために草の選別を在来種より倍近く細かくしたこと。
・キズ対策のために仕上げの時間が増した事。
【現在産地の問題点】
16年度は産地や品質の信用性が問われた1年だったと思います。
・JAS偽装問題が話題になり、熊本県では地元の新聞やニュース番組に取り
上げられました。(新しいJAS制度のあり方が検討されています)
・国産偽装が問題視されています。
(敷物新聞にも一部の内容に『中国で出来た「ひのみどり」は、結局すべ
て輸入されました』と掲載されるなど国産として出回っている可能性が
あります)
・国産偽装問題については、詳しくは11月号を御覧下さい。
(現時点での対策)
1、熊本県産の畳表には、熊本県の証糸を入れる。
(熊本県産の証糸は青と黄色が捻れている糸)
(証糸の写真)
2、国産シールに割り印
3、産地問屋の社名入シール貼付
今年はこれらの課題を解決する1年となるよう、
またより良いものを生み出せる産地となるよう、
皆様と対話をしながら活動をしていきたいと思います。
本年もよろしくお願いします。
投稿者松永:2005年1月25日 10:48
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