2007年9月15日

肥後物産通信9月号 エコファーマー資料に関して

【エコファーマー資料に関して】
◎はじめに
中国製品が社会問題となっている現在、エコファーマーが一部で注目されています。
エコファーマーについて=環境に良い農業」は良いことで、私たちも支持するものです。

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一方、認定者以外でも素晴らしい製品や環境を考えた農業をされている方々もいらっしゃいます。この点で認定者以外の方の製品が一律に劣る表現が流通段階において一部でありましたので、この点で誤解のないようにと思い、正統な資料のもつ情報をより正確に伝え、売り手と買い手との情報が均衡化する事で、認定者もそうでない方も、より各農家の取り組みが正当に評価される事につなげたいものです。

◎残留農薬資料の背景
・一部の残留農薬資料のデータは1人のデータではなく、複数の人のい草を混ぜ、実験した結果のデータ。
・い草農家が作付面積が平均1.5haとすると、このうち1区画(3~4反)の田んぼのみのデータであること。全ての製品のデータではないこと。
・一般的な熊本県の基準(いぐさ耕種基準)で作られた製品であれば、残留農薬の検査結果は、その殆どが基準をクリアする同じような結果がでるとする声もあります。
 
◎認定とそれでないものとの位置付けについて
環境に良い農業であれば、基本的に地力があると思われます。
一部の資料には、エコファーマーの方が微生物が多く、地力があるとするものも
あります。地力があれば、自然とい草はポロポロ折れるような草ではなく、より粘り
のある草となるものと思われます。
また地力があれば少々の環境変化にも強く、新芽の芽吹き、粒の揃いも良くなる
と思われます。従って微生物が多く、『本当に地力のある製品なのかは、製品に
反映する』ものと思います。

一方、エコファーマー認定者以外にも、環境に良い農業を行っている人もいます。
また良い草を収穫しようと、微生物が多く、地力を高める努力をされている人も
います。
エコファーマー制度はある面、例えて言うと「ISO9001」や「ISO14000」のよう
な性質があると思います。
一方、「ISO」はとらない「トヨタ品質」といわれるものに位置づけされる農家
の製品も数多くあります。

◎正当な評価につなげたい
「エコファーマーの取り組み=環境に良い農業」は良いことと思いますし、
環境に良い農業を表現することは、これらを普及させ良いことと思います。
私たちは積極的にこのような製品を扱っていきたいと思っています。

ただ認定者以外でも素晴らしい製品や環境を考えた農業をされている方々もいらっ
しゃいます。(この点で認定者以外の製品が一律に劣る表現が一部でありましたのは残念)
エコファーマー認定をとるとらないは、「ISO」をとる、とらないに近い判断が各農家
にあるかもしれません。
もし「エコファーマーの取り組み=環境に良い農業」によってもたらされる長所を表現
するのであれば、他人の製品と比較するのではなく、日本の企業がよく行う、過去の
自社製品と現在の自社製品とか、過去の土壌と現在の土壌など、自社製品の性能
比較であって欲しいと願います。

一般に、売り手は買い手より圧倒的に豊富な情報をもっています。
生産農家の方の環境に良い農業への取り組みは良いことで、支持したいものですが、
流通段階では、売り手と買い手との情報格差より、表現の方法によっては誤解を与え
るものになりやすい性質があると思います。

売り手と買い手との情報格差で利益を得る流通や事業の仕組みではなく、出来るだけ
フェアな土俵で、生産、流通のそれぞれのポジションの人たちが価値を創り出す事を
競う事が、品質の良い製品を生み出し、流通させる健全な価値を生み出す産地になる
のではないかと考えます。
何かに取り組んだ結果、例えば「土壌が良くなり、摩耗実験では過去は○○の摩耗率
だったのが、現在は○○の摩耗率になり改善された。価値を創り出した。」という事で
あって欲しいと願います。

企業活動の原点は「価値を創る」事だと私たちは考えています。
売り手と買い手との情報格差で利益を得る仕組みではなく、「価値を創る」事で利益が
もたらされる仕組みを創り、維持したい。
また、農家の方々の努力をより正当に評価して頂き、より正当な評価がより良い製品や
価値を生み出す産地につながる事を望んでいます。

皆様のご意見を頂ければ幸いです。

投稿者松永:2007年9月15日 14:00

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コメント(1)

熊銘会会長 :

ホームページをいつも楽しみに拝見しています。
日頃より熊本畳表の販売に御尽力されてる事を感謝します。今回はエコファーマーの事や摩耗試験の事を書かれていましたが、エコファーマーは安全な農産物の目安として、第三者機関から認定を受ける、言わば自動車免許のような物。
免許を取ったからと言って、すぐサーキットが走れる事はありません。
認定を受けて、それから意識を持って安全安心を考える事が大切だと思っています。
イグサに与えられる唯一の第三者機関からの認定です。有機栽培とか、無農薬などの間違った表示で消費者が惑わされないように、国が法律を作って県知事が認定するものです。ですから畳表に有機、減農薬、無農薬、有機肥料等の表示はできますん。私の畳表業界はどうですか?
エコファーマーは唯一減農薬とか有機堆肥とか減化学肥料とかが広告で使える認定だと解釈しています。
販売の方の解釈や広告での表現は販売の方のモラルであり、その中には農家の意図は考えません。
農家はただ消費者に安全と安心と豊かさを与えなければならないと考えます。
これからも熊本畳表の販売の第一認者としての活躍を望みます。

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