2007年6月16日

肥後物産通信6月号 みどりの特性Q&A

【産地状況】
5月の好天で新芽の芽吹きは良いようですが、雨が少なく全般に短いといった声が
多かったのですが、最近の雨で杭木も隠れるほど伸びてきたところもあります。
ようやく梅雨に入り、伸びなやんでいた生育状態は好転を期待したいところです。
例年は6月25日頃からの刈り取りで、今年もその頃からが多いと思われます。
一部で伸びが足りないようであれば、刈り取りの時期を遅らせるところもあるようです。生産状況は刈り取り準備のため10日前の今週までの生産といったところが多いようです。
現在の生育

【頂きましたご質問から】
Q1:夕凪の品種は花が多いと聞きますが状況はどうなのでしょうか?
A1:過去2年間は花が多かったです。今年も全般にそのような傾向にあると思いますが、農家によって差があるように思います。技術がある農家の製品は気象条件が多少変わっても毎年安定した品質を生産されているようです。
今年の花
Q2:ひのみどりと在来品種との外見上の違いは(最高級品ないし特級品といわれているもので)どう違っていますか? ひのみどりの方が繊維の径が細く、その分柔らかい感触を受けますが?
A2:一言でいうと、草が細いので目のつまりが密であることだと思います。
また柔らかさという点について、確かにみどりが柔らかい感触があると思います。
みどりでも、在来種と同じように実がしっかり詰まっているものもあると思います。
実が詰まっているかどうかは、ウラ毛を握れば把握出来ると思います。
在来種もみどりも、表皮はしなやかに粘りがあり、灯芯は実が詰まっているといったものが最高品と考えています。

ただ近年はみどりをはじめ品種改良したものは、色変わりの点において弱い面があるような事例があります。新しい品種についての特性は、敷き込み後の点でまだよく分からない面が残されています。

Q3:価格のうえでは、ひのみどりの方が高い評価を受けていますか?
A3:草の本数が多く使われ、原価も高いので、その分は高い評価となっていると思います。

Q4:貴社のブログ6月のデータからは、ひのみどりのほうが、在来品より安定的に磨耗数値が低いように思いますが?
A4:サンプルが少ない実験ですので、ここからだけでは読み取れにくい面があると思いますが、ひのみどり、在来種に関係なく、優れた生育をすれば、品種に関係なく、草に粘りがあり耐久性に優れているように考えています。
この実験では、在来種の遅刈りがサンプルとして少ないように思います。また技術の高い農家がみどりを多く作っているという背景もあると思います。

Q5:ハイクラスの評価をするのには、一定面積のなかでの重量を基準とするのですか?見た目からは、太くてしっかりと詰まってこしがあり長いイグサを使ったものが、良いように思うのですが?ひのみどりの方も在来種とこの点ではいかがですか?
A5:重量だけでなく、全体のバランスを見ます。「太くてしっかりと詰まってこしがあり長いイグサを使ったものが、良い」これはその通りだと思います。太くても粒が揃っていれば品行は良いと思います。みどりの特性に草が細いというだけでなく、粒揃いが良いという特性が、品行を良くしていると思います。

また太い草はその品種に応じた太さであればいいと思いますが、障害があって茶根になってしまった太い草や、太い草と細い草が混じったものは新芽と古芽の混じったものであり、これらは良いとは考えていません。
また、長いい草が一般によいのですが、補足をすれば新芽で且つ実が詰まった長い草が良いと思います。長い草でも古芽の草は敷き込み後黒筋の発生が考えられます。在来種でも、技術が高い農家は新芽の多い粘りのあるい草を作れると思います。

言葉足らずのところがあるかもしれませんが、以上が私たちの見解ですので、上記に対してのご意見頂けたら私たちも勉強したいと思います。また、その他に品質に対してのご質問がありましたら、コメント欄に頂けたらと思います。

投稿者松永:2007年6月16日 16:21

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