2006年3月20日

肥後物産通信3月号 改正JAS法

【産地状況】
春の兆しを感じます。産地では日中20℃となる陽気が多くなりました。
田んぼのイ草も緑に色つき、生産農家では肥料散布・雑草処理などを行
い、イ草の分けつ(増殖)を促す期間となります。

農協市場の出品枚数は一日平均約1万枚となっており、前年比約1割減と
なっています。
地区によっては在来種の出品が目立つようになり、ひのみどり種と半々の
出品割合と思います。
在来種の草質は例年より堅いようですが、全般に草質の低下を感じます。
品質の良い物は、お彼岸までといった傾向は例年と変わらないようです。

風景写真

【改正JAS法】
平成18年3月1日からJAS法が改正されましたが、畳表のJAS改正内容は具体的には
決まっておらず、現時点では現行で行われております。
今後の改正に伴い、現行との改正点、また問題点などを簡単に取りあげてみたい
と思います。

JAS改正比較

Q1.現行のシールは変更されるのか?
A:これまで通り証明シールの貼り付けのようですが、
 新しく「原料イ草の産地名」を表示するようになり、
 従来の「産地名」から「製織地名」と変更されるようです。

Q2.制度が変わって表の品質はどうなるのか?
A:JAS表の品質向上が予想されます。
・重さは、1枚当たりの重量から1平方メートル当たりの重量とし、基準値も引き上げ
 となります。
・各等級ごとに、突き出し(イ草の根元部分)、裏毛(イ草の先端部分)
 の基準を細かに設けてあるようです。

Q3.JASの登録認定機関(検査機関)はどうなるのか?
A:熊本では、これまでイ業共同組合が(熊本県食料事務所の委託より)
 検査を行ってきましたが、今後検査機関を立ち上げる事になります。
「案として登録認定機関(検査機関)」
・これまでのイ業共同組合が認定取得する。
・あるいは産地業者が出資し合い、検査機関を立ち上げ、認定取得する。
・主産地の熊本に認定機関ができないと言うことは考えられず、
 熊本県等の指導がなされるのではないかと思われる。

【問題点】
いずれにしろ、認定機関を運営する資金はJAS検査費用から賄われる事となり、
1枚当たりの費用増加が見込まれます。

Q4.認定事業者になるところは?
A:今のところはっきりとした事はわかりませんが、認定業者となり採算の
 取れる企業。つまり、これまでJAS表の取扱い枚数の多い企業が有力視さ
 れます。

【問題点】
・中国産のJAS表が普及した現在では、国産JASを指定した工事でない限り、
 使用されない傾向がますます強くなると思います。
・認定工場と農家がワンセットとなっての申請になり、市場を経由しない直接取
 引となる為、農協、私設市場の反発が予想されます。
・また、農家と認定工場が契約を結ぶ形になり、自由競争の意欲低下 (農家同士
 競い合い、良い物を生産しようとする意欲)を招く事になりかねません。
・農協市場、私設市場が認定工場になることも考えられます。

Q5.値段はどのくらい高くなるのか?
A:認定を受けていない業者がJAS畳表を販売する場合、認定取得業者からJAS表
 を買って、さらに販売する事になります。
・Q3の内容から、まだどのくらい高くなるかは不明です。
・弊社が認定工場にならなければ、JAS表の受注を受けた場合、 認定工場から 
 買っての販売となります。

今後、3年間の猶予期間を経て、畳表のJAS改正が行われますが、詳しい内容が
確認できしだい取り上げたいと思います。
また、皆様からのご意見・ご質問等がございましたらご連絡下さい。

投稿者松永:2006年3月20日 09:33

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2006年3月19日

JAS改正比較

◎改正前のJAS規格
1.JAS等級は「特級、1級〜3級、等外」5等級
2.規格では1種〜3種、また各等級は耳毛の長さが7.0(+)2.0cmと
 一定の規格になっている。
3.重量の基準は1枚当たりの重さとなっている。
4.JASの格付けは登録格付機関等、登録認定機関等から認定を受けた製造業者等が行っている。

◎改正案(改正原案より)
1.JAS等級の簡略化
・現在「3等、等外」の検査がほとんどないため、改正案では
 「3級、等外」の二種類を廃止し「特級、1級、2級」の3種類となる。
2.耳毛の長さを明確にする
・耳毛の長さによっても品質が左右されるため、各等級ごとに
 耳毛であるイ草の先端部分(裏毛)と根本部分(つき出し)の長の基準を設ける。
3.重量
・重量によっても品質が左右されるため、1枚当たりの重量から
 1平方メートルの重量で計算され、重さの基準値も引き上げる。
4.JAS検査機関
・登録格付機関等による格付けを廃止し、登録認定機関から認定した認定製造業者のみがJASを表示できる制度となる。
5.シールの内容
・現在の表示に加え「栽培されたイ草の産地名」が新たに付け
 加えられる。また、産地名から製織地名と変更される。

投稿者higo:2006年3月19日 18:02

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2006年3月15日

生育状況2006年3月15日

生育状況(手植え)3月15日撮影
huukei6-3-15-a.jpg huukei6-3-15-b.jpg
生育状況(機械植え)3月15日撮影
huukei6-3-15-c.jpg huukei6-3-15-d.jpg

投稿者higo:2006年3月15日 18:08

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