2004年11月25日
肥後物産通信11月号 国産偽装問題
【産地状況】
11月中旬となりイ草の植え付け時期となりました。
農家では12月中旬まで織機止め、植え付け作業となります。
19日の週までの農協市場出品枚数は約109.500枚となっており、
(前年対比20%減)先月から引き続き、少ない出品となっています。
出品枚数減少の要因として
・ひのみどり品種が普及し、製織時間が長くなった農家戸数が増えたこと
・農家、産地問屋間での相対取引(農協を通す形だが入札には掛けない)
の増加が大きな要因と考えられます。
【国産偽装問題】(先月頂きましたご質問)
Q:中国草の日本織り(もう、実際出まわっているのだから、それは
それで認めるとして)そして、純粋な熊本表との明確な区別をして
ほしいと思います。
A:◎現時点の状況
・「中国産の原草を使用し熊本で織っているところがある。」
また、「その畳表を国産畳表として出している」とも聞きます。
・市場関係者の話によると「熊本より他県での生産が盛ん」とも聞
きます。
・敷物新聞の記事によると昨年の中国原草の輸入量は約500・であり、
これから換算すると約15万枚と推定されます。国内生産枚数が
約800万枚としますと、約2%の割合で考えられるようです。
・ある私設市場が「原産地:中国、生産:熊本」という表示で入札
にかけましたが、値段が入らず売れませんでした。
・そのためこの私設市場では以後中国産を売ることはやめておりま
すが、一部のところが表示なしで販売していると聞きます。
・産地の入札値ほどの値段で消費地に入荷している例は多く聞きます。
・中国での製織段階から国産の証糸を入れ、国産として流通している
物もあると聞きます。
◎対策
A:現時点での対策として
1、熊本県産の畳表には、熊本県の証糸を入れる。
(熊本県産の証糸は青と黄色が捻れている糸)
(証糸の写真)
2、国産シールに割り印
B:今後の予定として
産地問屋の社名入シール貼付
以上のような対策をし、熊本産と分かるようにしています。
しかしながら、偽装表製造の根本的な解決にはいたりません。
現状、消費者の方々に安心、また自信をもって提供して頂く為
には安心できる仕入れ先とのお付き合い、また信頼関係を築く以外
ないかもしれません。ご意見をお願いします。
以下は参考まで
【私たちの考え方】
(会社概要より)
【商道徳について】
参考
投稿者松永:2004年11月25日 10:59
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2004年11月24日
商道徳について
【商道徳について】(私たちの師としている人たち)
▽渋沢栄一
渋沢栄一がかつて大蔵省をやめて第一国立銀行を立ち上げ「地位や名誉より金が欲しいからか」
と批判する声がありましたが、これに対し、渋沢は次のように反論しています。
「私に能力があると見てくださることは誠にありがたいが、もし能力があるとすれば、なおさら
官界を去らねばなりません。もし、人材がみな官界に集まり、才能なき者ばかりが民業にたずさ
わるとしたら、どうして一国の健全な発展が望めましょう。
はばかりながら言わせてもらえば、官史は凡庸の者でも勤まりますが、商工業者は相当に才覚の
ある者でなければ勤まりません。ところが、今日の商工業者にいまだ力のある者がそうはいない。
士農工商という階級思想の名残で、官にあることは光栄に思うが、民にあることは屈辱に感じる。
この誤った考えを一掃することが急務です。
それにはまず商工業者の実力を養い、その地位と品位を向上させることが第一です。
彼らの社会の上位に位させ、”徳義を具現する者こそ商工業者だ”という域にまでもっていかな
ければなりません。この大目的のために精進するのは、いわば男子の本懐です。」
▽住友政友
江戸時代初期に住友家の「家祖」と呼ばれる住友政友という方が子孫に当てた手紙では、商売の
心得が箇条書きに書かれており、その第一には、「相場より安い品物を持ってこられてもその背
景がはっきりしないものは、盗品の可能性もあるから、決して買ってはならない」と書かれてい
るそうです。
こうした政友の教えは明治24年に制定された「住友家法」に受け継がれ、その第1章第1条に
は、「我が営業は信用を重んじ・・・」とあり、第2条には「浮利を追わず」という趣旨が書か
れています。
▽福沢諭吉
「身には前垂れを纏うとも、心には兜をつけよ」
▽日比翁助(1860-1931)
明治中期、近代化が進むご時世ながら、商業は江戸期以来のままで、老舗の三井呉服店でさえ
経営悪化に苦しんでいた。その再建を一人のサムライ魂を持つ 男が任される。士族出身の銀行員
・日比翁助(1860-1931)。日比は呉服店の再建にとどまらず、欧米に誕生していた「デパート」
に再生することを 決意。改革に乗り出す。
日比が拠り所としたのは「“利”より”義”を重んずる武士の魂」で「才知ある商売」を行う「
士魂商才」の思想。
日比はまず、商業倫理が衰退した業界に、「義」という武士的倫理観を持ち込み、客のための商
売、という商道徳の再構築をはかる。
さらに西洋の一流の百貨を庶民に啓蒙することを目指して、呉服店をデパートに転換。
そこで赤字覚悟で博覧会や美術展などの文化事業を積極的に実施した。
日比は商いを通じ国家・社会に貢献するという、「公」の精神を体現しようとしていたのだ。
この日比の方針は、守旧派の抵抗や批判を受けながらも、日露戦争後の産業発展に伴い急増した
大都市の中・上流層のニーズと合致し、改革開始から十年後の「近代的デパートの開店」により
結実する。
▽ ソニー(東京通信工業 設立趣意書より一部抜粋)
・不当なる儲け主義を廃し、実質的な活動に重点を置き、やたらに規模の拡大を追わず
投稿者higo:2004年11月24日 17:52
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2004年11月23日
偽装に対しての私たちの考え方
それぞれの会社の理念の違いにより、産地業者の取り組み方は違い
があります。
近年は「偽装問題」が多く取り上げられますが、「偽装」は極端に
申しますと「人を騙してまで事業を行う」事になるのでしょうか?
「人を騙して」販売することは利益は一時は増えるかもしれません
が、雪印事件をはじめとする教訓はいつしか忘れられているのかも
しれません。
「利によって行えばうらみ多し、大は国を滅ぼし小は身を滅ぼす」
とは、かつての中国の賢者の言葉ですが、良いのもを伝えることを
事業とし、ごまかしてまで事業を行うべきではないと思います。
商売といえば「利の世界」に住む人たちと見られがちですが、かつ
ての商道徳を唱えた人たちは、事業の大儀を掲げ、仁(道徳)をも
って活動したと思います。
私たちもこの考えのもとで事業を行っていきたいと考えています。
投稿者higo:2004年11月23日 17:59
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