2014年2月27日

肥後物産通信3月号「急激な値上がりについて」

 産地では畳表生産の最盛期となっています。例年2月は一般張替えの少ない時期のため、国産畳表の相場は下がる傾向でしたが、昨年11月から高値のままで「何が高騰の原因なのか?」とお問合わせを多く頂きました。
 中には工務店様、施工主様に対して説明する資料を作成して欲しいとの依頼もありましたので、おおまかに産地の状況をまとめたものを提供しています。参考資料としてご使用頂ければと思います。
資料のダウンロードはこちらまで

(以下、資料より抜粋)
■急激な値上がりについて
 昨年は全国ニュースでもとりあげられた東京八王子での中国産を国産と偽った畳業者の逮捕事件、またラベル偽装、食材偽装と様々な偽装事件がありました。これらと消費税の駆け込み需要が重なり、年々減っているい草農家の供給に対して、急激な国産需要の高まりで相場は高騰してしまいました。これは昨年末の高級ホテルによる食材偽装事件で伊勢海老が高騰したのと同じ原理と思います。これもやがて収まると思いますが、そもそも疑わしい商品が流通していなければ、ここまで高騰することもなかったかもしれませんし、また農家にとってはこれまでの再生産出来ない相場により、やめていく人もここまで多くなかったかもしれません。
 弊社としてはこのような事を繰り返さないためにも、今後も産地偽装がない流通の仕組みづくりを目指していきたいと思います。

投稿者森岡:2014年2月27日 18:21

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2014年2月18日

肥後物産通信2月号「産地研修報告(第2回)」

 2月産地研修の第2回目は当初24名の予定でしたが、雪の影響などにより、22名の参加でした。中には全社員で参加して頂いた畳店様もあり、その期待に応えようと第1回目同様に精一杯対応しました。

また前回に参加者の方より頂いた貴重な改善点を生かし、資料に関しては出来るだけ見やすくし、メモ欄を設けるなどを行いました。
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 弊社会議室では、第1回同様この研修における目指す成果について、「畳表の見本を見せながら、数年後に変化する敷物としての価値の違いが買い手によく伝わる知識の習得」とし、基本的な知識の整理を行いました。
 施主様にとってお金を出す価値の違いがどこにあるのか?見本の畳表が数年後に退色したときの品行や耐久性がどのように変化していくのか?
この研修が終了する時には、これらをよく説明出来るという成果を目指しました。
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(吉田様 製織、圃場見学)
 吉田様では製織作業をまず見学し、選別されたそれぞれの段階のい草とその草で織った畳表を見学。その後実際に敷き込んだ畳表がどのように退色しているのかを拝見させて頂きました。10年という年数がたっても黒い筋がなく、皮むけなど皆無でした。
一部でひのみどりは耐久性が心配と言われますが、実入の良いものを選べば品種に関係なく丈夫である事を、これを見れば納得出来ると思います。
今回の見分け方の知識と実際に敷き込んだ畳表の変化を見ることで、自信をもって価値の違いの提案が出来る事に結びつきそうです。

(橋口様 製織見学)
 色変わりが起きないように工夫された作業場でした。このような細部まで気を付けられ徹底しているから産地を代表する製品が出来るものと思われます。
 また4年間寝かせた畳表を拝見させて頂きました。通常の畳表の1年間寝かせたものと変わらないような色の変化にみんなびっくりでした。草質の良いものは、このように年数がたってもほとんど品質の低下が少なく、品質の良いものを施主様への提案する際に、これらの現場をみている事は、大きな自信につながると思います。
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 参加された方々は、ここまで足を運び、生産者の方の様々な取組や年数が経過しても品質があまり落ちない製品を実際に目にすることで施主様に対しての提案力が増したものと思います。
い業研究所様、吉田様、橋口様には忙しい中にご協力頂き、大変有難うございました。

◎研修実施日:2月14日(金)〜15日(土)
◎参加者:22名
◎目的:お客様への価値提案力を高める
◎目的の達成度(平均88.7% アンケート集計)
◎勉強した内容の理解度(平均89.6% アンケート集計)
◎研修内容 http://www.higobussan.co.jp/blog/2013/12/12-12.html

◎コメント
・中身の濃い研修だと思う。特に若い人は畳表の良し悪しの判断基準を持つことができると思う。また農家様に仕上がりのいい表を見せてもらうことにより見る目を養うことができると思う。今後も継続してやっていただければ、業界の底上げにつながると思うので、是非続けていただきたい。(東京都 A畳店)
・農家しか解らないような専門的な知識を得ることが出来ました。これからの営業に活かすことが出来ます。(熊本県 K畳店)
・イグサ農家様のこだわり、熱をもったイグサ作り、畳表作りを感じました。(大阪府 T畳店)
・畳表に対する意識が変わりました。畳屋で長く商売をして来て、知らない事が多くて恥ずかしくなりました。畳屋は、もっと意識を高め勉強しないとだめですね。(山口県 N畳店)
以上のコメントを頂きありがとうございました。
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(注:コメントの畳店様の正式名称はそれぞれ違いますが、ここでは「・・畳店」と表示させて頂きました。)

◎研修を終えて
 寒い中でしたが参加された皆様の熱意と期待を感じました。またご協力頂きました、い業研究所様はじめ生産者の方々のお陰で実現出来ました事に感謝申し上げます。
 今回の研修を通して、少しでも品質の良いものが選ばれて、消費者から「畳はいいね」と評価され、同時に国産需要を長期的に安定的に高め、農家戸数減少の歯止めに少しでもつながればと思います。
これから4月・5月・6月と材料商様のご協力で、それぞれに参加の申し込みを頂いています。2日間の研修会は日程の調整は必要ですが、随時受付中ですので関心のある方は是非ご連絡ください。

投稿者松永:2014年2月18日 05:53

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2014年2月11日

肥後物産通信2月号「産地研修報告(第1回)」

 昨年の品質の見分け方を中心とした産地研修が好評だった事より、「お客様への価値提案力を高める」という事を目的に、今年も開催しました。
2月の第1回は18名の参加を頂き、第2回は24名の予定となっています。
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(い業研究所にて)

 施主様にとって価値の違いが十分に伝えられなければ、価格の安いものが選ばれ、国産需要の低迷につながります。現在は国産需要が旺盛ですが、長期的にそして安定的に国産需要を高めたい。そして農家戸数の減少に少しでも歯止めをかけたい。このような思いがこの研修を行う背景としてあります。

 この研修における目指す成果について、「畳表の見本を見せながら、数年後に変化する敷物としての価値の違いが買い手によく伝わる知識の習得」としています。
施主様にとってお金を出す価値の違いがどこにあるのか?見本の畳表が数年後に退色したときの品行や耐久性がどのように変化していくのか?
この研修が終了する時には、これらをよく説明出来るという成果を目指します。

 2月第1回の特徴として、畳表を寝かせて使われる、白口好みの方が8割程いらっしゃったのは驚きでした。いつもと逆の割合でした。寝かせることによって品質が具体的にどう違ってくるのか。実践されている方のご意見は大変貴重なものでした。
品質に関して違った見方のある人たちが意見を交換する事は、幅広い知識を身につけられると思います。私たちが用意したものだけでは出来ない分野がこの参加者相互の意見交換です。
これらを通してより品質の違いを幅広く様々な視点から施主様に伝えて、より品質の良いものが使われることを望む次第です。

い業研究所様、早川様、上本様にはご協力頂き有難うございました。
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(早川様 製織、圃場見学)

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(上本様 製織見学)
◎研修実施日:2月7日(金)〜8日(土)
◎参加者:18名
◎目的:お客様への価値提案力を高める
◎目的の達成度(平均96.2% アンケート集計)
◎勉強した内容の理解度(平均90.4% アンケート集計)
◎研修内容 http://www.higobussan.co.jp/blog/2013/12/12-12.html

◎コメント
 ・お客様により良い畳をご提案していく上で、自身がより知識を得る事が大切であると再認識しました。その中でこの度の研修は新たな気づきも得られましたので大変有意義であったと思います。(兵庫県 F畳店)
 ・研修に参加される畳店様は皆さん勉強熱心でとても刺激を受けました。それに農家さん問屋さんの直接の声を聴ける機会はあまりないのでとても貴重な経験になりました。お客様に説明する際の引き出しがとても増えた気がします。
 ・初めて肥後物産様の研修に参加させて頂きました。私も熊本には組合等で何回か研修に参加しましたが、今回の研修は大変素晴らしく有意義な2日間になりました。改めて熊本産畳表の大切さを実感しています。八代畳表生産者の皆様、肥後物産の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。(大阪府 S畳店)
 ・大変勉強になりました。有難うございます。普段話すことの少ない畳屋さんともお話しでき、とても刺激になりました。(熊本県 I 畳店)
 ・農家の方達が努力されて良い品物を作られている姿を拝見し、私は消費者の方達に畳という製品を喜んで届けられるよう頑張りたいと思います。(愛知県 I 畳店)
 ・農家さんと直接お会い出来て、今まで分からなかった事や知ることが出来なかった事など知る事が出来て大変勉強になりました。また、この経験を日々の接客に生かしていけたらと思います。(大分県 S畳店)
 ・今まで聞いた事でしかなかったので、実際に見て説明して頂いて分かりやすく、「そうか!」って思えました。
 以上のコメントを頂きありがとうございました。
higo20140208.JPG
(注:コメントの畳店様の正式名称はそれぞれ違いますが、ここでは「・・畳店」と表示させて頂きました。

投稿者松永:2014年2月11日 13:47

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