2006年7月24日

肥後物産通信7月号 い草新草状況

【産地状況】
18年度のイ草収穫も終盤となってきました。九州地方、日本海沿岸また
各地域で大雨による被害が心配されますが、産地では無事に作業を終え
そうです。今年の作柄ですが、全般に草丈はやや短く収量減と聞かれま
すが、昨年より実入りの良い草が収穫されているようです。

【イ草刈りの1日】
生産者、上村一二三さん(千丁町)に協力して頂き、収穫作業を
取材させて頂きました。
「早朝から1日の作業を終えるまで」
「上村氏の生育方針」

【新草の状況】
農協担当者、私設市場の方々に、新草の状況を聞いてみました。

草質:収穫当初は日照不足の影響から、新芽の伸び上がりが少なく、
    先枯れの心配がありましたが、全体的に草質は硬く、実入り
    の良い草質。
長さ:田圃により格差はありますが、若干短いか平年並み。
    (130〜150cm程)
収量:収穫が進む毎に増収となったようですが、一反当たり平均350
    〜400貫(1貫=3.75k)程の収穫量、平年作。
ヤケ:品種によっても異なりますが全体的に少ないと思われる。
着花:早刈り在来種では、着花した古芽が伸び上がっており、上物へ
    の混入が気になるところ。全体的には少ないと思われる。

【カビの処置】(敷き込み後の場合)
雨天続きのため、畳表のカビ発生によるご相談があるかと思います。
敷き込み後のカビの処置として、以下の要領で拭き取って頂くと良い
ようです。(熊本県い業生産販売振興協会:熊本のイ業 PR ビデオより)

1.乾いた雑巾などに、エタノ−ルを含ませ拭き取る。
2.ぬるま湯に、酢を適量(臭わない程度)混ぜ、雑巾などを堅く絞り
 拭き取る

以下、参考まで
「畳のメンテナンス:カビ処置・ダニ発生について」

投稿者松永:2006年7月24日 15:32

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2006年7月23日

肥後北吉会(ひごきたよしかい)

 

肥後北吉会(ひごきたよしかい)

1. 土作り
 

【堆肥の効果】
・健全な根、芽を育てるために、PH調整、塩類の分解、微生物の住居作り、
 団粒化などをおこなっています。
 

【有機肥料と科学肥料】
・施肥の軽減や健全な根、新芽の発生のために、微生物のエサ、暖効的な効肥などを
 おこなっています。

2. 栽培
・ボカシ肥、有機肥料を多量に使用し表皮が厚く芯の詰まった弾力のある草を育てています。

3. 加工
 ・細かく選別し吟味した後、加工に適した草だけを使用し、数多くの草で織り込むことで
腰、艶とも良質な表を加工しています。

4. 肥後北吉会とは
良質ない草栽培はもちろんのこと体に有害な科学染科・添加物・科学繊維は一切使用せず自然の
 ものだけを使い、安心・安全・健康に良い環境に優しい畳表を確実に消費者に届ける会です。

5.現在の会員数
 6名

肥後北吉会パンフレット
yosioumaru.jpg

投稿者higo:2006年7月23日 18:09

2006年7月22日

畳のメンテナンス:カビ処置・ダニ発生について

5、カビ処理

  • カビが発生する原因
    カビは土や空気中に多く散在し、空気のあるところにはカビが存在します。湿度70%以上でカビの発生が始まります。
    梅雨時期には、部屋を閉め切った状態ではカビが発生しやすくなります。特に新築住宅の場合、建材資材の含水率が高い場合があります。
  • 処理
    1.畳を十分に日光にあて、干します。
    2.ブラシで丁寧にカビをとります。
    3.掃除機で、畳の目にそってカビを吸い取ります。
    4.根気よく丁寧に行うのがコツです。
  • 6、ダニ発生について

  • ダニが発生する原因
    1、室内温度が20~30度、湿度60~80%
    2、エサがあること
    3、潜んで卵を産める場所があること
  • 以上3つの条件が揃うことによって繁殖します。特に大量発生する条件は気温25~28度で湿度が70~80%という高温多湿の条件がダニの繁殖に最も適しています。

  • ダニを発生させないために
    1、掃除をこまめにする
    2、畳の上にジュータンやカーペット等の重ね敷きをしない。
    3、窓を開け、室内の風通しをよくする。
    4、室内でのペットの飼育はさける。
    5、加湿器を過剰に使用しない。
     
  • ダニ対策
    1、ダニは人間のフケやアカ、食品のクズなどをエサとしているので、こまめに掃除を行なえば、さほど気にならなくなります。
    2、畳の表面にいるダニには、電気掃除機をかける方法が1番有効です。ゆっくり丁寧にかけて下さい。
  • 畳は生き物です。大切に扱うことを忘れないで下さい。

    投稿者higo:2006年7月22日 18:10

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    2006年7月15日

    イ草刈りの1日

    刈り取り
    約半年かけて育てたイ草の収穫です。
    6月下旬から7月下旬にかけ、充実したイ草を刈り取ります。
    karitori01.jpg AM 10:00〜12:00
    本日収穫分の網をはずします。

    昼食、休憩後

    PM 3:00頃〜
    刈り取り開始です。

    乗用2条刈り機械の普及により、刈り取り作業も昔に比べて大変楽になりました。

    karitori02.jpg 機械操作が苦手なお母さんは、刈り取られたイ草を台車に詰める作業です。

    実はこれが一番しんどい作業なのです。

     

    karitori03.jpg 恥ずかしがりやの一二三さんでした。

    今年は良質なイ草が収穫できました。
    良い畳表が期待できますよ。

     

    PM 7:00頃
    1日の刈り取りが終了します。

    karitori04.jpg karitori05.jpg 刈り取られたイ草が奇麗に並んでます。
    ひとつひとつの作業に、きちんとした性格がみえるようです。

    二毛作のため、イ草を収穫しながら、稲を作付されます。

    泥染め
    刈り取られたイ草は、独特の色、香り、光沢を出すため、天然染土を使って泥染めを行います。
    uemura06.jpg PM 5:00〜

    刈り取りと並行して、泥染めを行います。
    泥染め作業は親父さんの担当です。

    まず収穫されたイ草は、台車毎にシャワーを浴びせます。
    汚れを落とし、イ草を冷やす事で、染土の着きを良くします。

    uemura07.jpg 泥染め浴槽に投入するところです。

    右側の青い機械が攪拌機です。
    毎日500リットル分の染土が補充されます。

    イ草も奇麗に並んでいます。

    uemura08.jpg 泥染めした後の写真です。

    しばらく染土を落とし、浴槽から出します。
    取り出した直後は、染土がうっすらと見える程度ですが、乾くと真っ白になります。

    uemura09.jpg uemura10.jpg 浴槽の深さは約2メートル程です。
    イ草が隠れるまで染土が入ります。

    PM 7:30頃 
    作業終了です。

    乾燥
    泥染めしたイ草を乾燥機に収め、乾燥させます。
    uemura11.jpg AM:6:00〜

    ご家族3人での作業です。

    写真上の台車5台分が1日の収穫分です。
    これを全て詰め込みます。

    uemura12.jpg ひと束ひと束、均等に綺麗に並べられていきます。
    慣れないとスムーズにはいきません。
    uemura13.jpg 均一になるように収めないと温風の通りが偏ってしまい、不乾燥の原因となります。
    uemura14.jpg uemura15.jpg 横から見ても、真っ直ぐ並べてあります。

    AM 8:00頃 
    作業終了。
    片づけをして、朝食です。

    収納
    乾燥させたイ草を取り分け、黒ビニールに入れ保管します。
    uemura16.jpg AM:4:00〜5:30頃
    1日の作業開始です。

    上村さんのところでは、収納作業から始まります。乾燥されたイ草は染土が浮きでた感じとなり、白っぽく見えます。

    白い物体は空気中を舞う染土です。フラッシュ撮影の際、白く反射します。

    uemura17.jpg 乾燥釜の熱気と空気中を舞う染土の中、ご家族4人で頑張られています。

    中央の機械でイ草を揺さぶり、ある程度の染土を落とします。手前が結束部分です。
    8〜10束を1つに結束します。

    一二三さんの奥さんは(白いシャツ)この後、お勤めがあるので収納作業後、出勤です。収穫期間中は毎日大変ですけど頑張って下さい。

    uemura18.jpg 取り分けたイ草をビニールに入れる様子です。

    お母さんが担当されていました。
    マスクも着けずに頑張っておられました。

    uemura19.jpg uemura20.jpg 収納作業後に出る廃棄染土です。
    (左写真では2日分)

    再使用はしません。
    できるそうですが、粒子が粗くなっているため、付着が悪いそうです。
    このまま田圃に破棄されます。

    投稿者三矢:2006年7月15日 18:18