2005年3月23日

肥後物産通信3月号 創業500周年記念大会特集

【産地状況】
農協市の畳表出品枚数は、1日平均1万枚となっており、昨年の同じ時期と比べ
ますと、約1割の減少となっています。
出品では「ひのみどり」が半数以上占めていますが、草質は徐々に落ち始めて
おり、これから早刈りの表に切り替わってくると予想されます。
今年の早刈り草は、例年より草質は堅いのですが、先枯れ・着花が多いように
思われます。

現在のイ草の生育状況ですが、例年より気温が高く、雨が多い為、生育の早い
田んぼが目につきます。あまり生育が早いと柔らかい草質になりやすい為、今
後の天候は気になる所です。

【熊本の畳表 創業500周年記念大会特集】
■品評会入賞品展示会   (場所:千丁町公民館)  
 特別賞一覧表

■畳シンポジウム (場所:八代ロイヤルホテル9:30~12:00)
(講演要旨)産地における表示の必要性
(株)マーケチイング開発 代表取締役 小澤孝夫氏 (以下の内容でした)
◎「製品表示(出荷証明)票」の発行。現状における添付率は3~5割程度。

◎全国の畳店調査(平成16年7月、691事業所より回答)を実地
・国産畳表の評価は 「親しみやすさ」 「信頼性」 「安心性」 「安全性」 「品質の安定
性」や「高級性」といった観点では中国産を大きく上回る高い評価を受けた。
・畳表仕入れ時には「国産シール」や「産地表示」を7割の畳店が重視。
・「製品表示(出荷表示)票」があれば営業活動にプラスになるという回答も8割前
後を占めている。

◎偽装問題
国産シールの貼り変えや生産者の写真を勝手に使用するなどの悪質な偽装表示は、
ぬきさしならないところまできており、現況を顧みると法律等に基づいた厳正な対処や
業界浄化など、ルールの中での自由競争実現が本業界発展のためには必要と考える。

◎消費者アンケート(平成16年11月、銀座熊本館来場者177名より回答)
・「和室のほうが洋室よりくつろげる」92%、
・「家族の団らんはフローリングより畳部屋のほうがよい」70%と和室志向が高い。
・「これからの畳表は生産地など生産履歴のある畳表がよい」は73%と製品表示(出
 荷証明)に対する期待度は高い。
・「畳替えをする場合、価格の安い外国産より国内産を使用する」91%、
・「畳替えをする場合、多少価格が高くても上品質のものを使用する」86%

◎まとめ
単に低価格な畳表を望んでいるのではなく、よりよい品質を求める消費者像が明らか
となった。
近年の住宅業界や賃貸住宅マーケット等からの低価格要請は強く、本アンケートを全
てに不遍させることは無理としても、大きな潮流として「価格のみにとらわれない、
安全・安心で高品質志向のお客様」の存在を業界としては再認識すべきである。
製品表示(出荷証明)は、生産者が責任を持って「安全・安心・くまもと畳表」を全国に
向けて発信する証紙であり、中国産や他産地と明確な区別をする役割がある。
また、流通業者・畳店では表示により製品を確認し、よりよい商売に繋げるブランド
認定書でもある。
さらに、消費者は表示により安全・安心を確認し、料金を納得して支払うという多面
的な役目をもつ。
価格破壊からなかなか抜け出せない本業界に、製品表示は業界活性化の切り札として
有効に機能するものであり、業界をあげて真実を確実に『顧客』にお伝えしていく実践が
切に望まれる。

【畳シンポジウム・情報交換会資料より】
畳アンケート結果 (参考資料:熊本県建築士会)
畳表の流通実態調査報告書 (参考資料;熊本県い業生産販売振興協会)

シンポジウム内容につきまして、ご意見をお待ちしています。

投稿者松永:2005年3月23日 10:32

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