2003年8月25日

肥後物産通信8月号 畳表の退色

【産地状況】
八月苗の仕事を終えいよいよ本格的に畳表の生産が始まります。
まだまだ畳表の出品は少なく、今年は例年よりも出品は少ないようです。消費
地では、新草は色が変わりやすいという事で、必要最小限の仕入れで、どちら
かというと古草の需要が多いです。9月に入ってから本格的な仕入れになると思
います。中国の新草もまだ見本程度しか入荷しておらず、いずれも来月から本
格的な動きとなるようです。
今年のイ草の品質は、ヤケ・花共少なく良質の草なのですが、草丈が例年より
短くて上級品が少なく、収量も2割程度少ないようです。

8月苗というのは、来年の作付けとなる基のイ草の苗です。
畑に植えていたイ草苗を割り(株分け)水田に植える作業です。
畑苗を1アール植えたとすると、8月に水田に10アールの植え付け、そして11月
の本田に植える時は100アール植える事になり、8月苗から本田に植えるまでは、
約100倍増える事になります。

【畳表の退色】
「岡山県の畳店様より退色についての質問がきました。」
Q:8月~9月の新表は退色が早いと思いますが、なぜなのでしょうか。
A:刈り取り後、保管して間もないイ草は乾燥段階の熱を持っており、黒ビニ
ール保管になった現在では、この熱は9月中旬まで感じられます。
草も染土になじみが浅く、若干ではありますが黒く感じます。
イ草自体もまだ、材木でいう生木の状態と考えます。
また8~9月は真夏の日射しが強い時期です。温度・湿度ともに高く製織する時
期としては、あまり良い時期ではありません。
こういった状況の中、カシ(加湿)を取り製織され、その後も湿気の高い外気
に触れる事になります。この状況が退色の早さの大きな要因ではないでしょう
か。熱がだんだん冷めて、草の色も落ちついくるのは9月に入ってからだと思
われます。
ただ、8月に織った古草は、一年間原草で寝かしてあるので色も落ち着き退色
しにくくなっています。

以上の様に、畳表について解らない事、疑問に思う事がありましたら調べて回
答致したいと思いますので、遠慮なくご意見ご質問をお送り下さい。

来月は畳表の品質による退色の違いをピックアップしたいと思います。

投稿者松永:2003年8月25日 11:15

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