2006年6月16日

肥後物産通信6月号 畳表摩耗実験

【産地状況】
生産農家では新草の収穫を間近に控え、追肥や田植えなど、外仕事
と平行して畳表の打ち出しが行われています。
農協市場の出品枚数は1日平均9千3百枚となってお り、前年比約1割
減となっています。今後農家では収穫準備に入るため、20日以降市場
への出品は一層少なくなる事が予想されます。

イ草の生育状況ですが、5月中旬の日照不足から新芽の発芽が遅れ、
「早刈りから中間刈りまでは収量減ではないか」と聞かれます。
そのため、刈取りを遅らせる生産農家が多くありそうです。
品質の面では、早刈りの草丈は杭木も隠れ、まずまずといったとこ
ろですが、新芽が伸び上がった状況ではないため、先枯れやヤケな
どの心配があるようです。中間刈り以降は、梅雨時期の雨量など今
後の天候によって回復が期待されます。
全般に収穫が始まるのは6月25日頃と思われます。
生育状況

【摩耗実験】
(注意点)
今回持ち寄られた見本では、各生産農家で織機のメーカーや畳表の重量、い草の収穫時期が不明のため、全く同じ条件での実験とはならなかったようです。

---社内検討---
◎実験結果より
・見本全般を比較したとき、目立ちの良い(表の目、凸が高い) 畳表ほど摩耗数値が高く、目が平らな畳表は摩耗数値が低い傾向となったようだ。
・長イを使用し、粒揃いが良く、丸みのあるイ草で製織されたものは表面が滑らに仕上がる事から、摩耗数値も低い。
・糸引きクラスになると、新芽・古芽と混じるため、どうしても粒揃いが劣る。そのため表面がガサづき、摩耗数値も高くなる。
・農家グループで比較したとき、田中・上本氏は非常に良い評価がわかる。なかでも上本氏の表は、目立ちの良い物だが摩耗数値は低く、耐久性があることが実証されたといえる。
・今回の見本では国産・中国産と比較したとき、国産の方が耐久性に優れるといえるのではなかろうか。
・科学表の場合、摩擦熱によって表面が溶けペーパーに付着することから、この試験器では途中で摩耗できなかったようだ。

投稿者松永:2006年6月16日 09:22

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