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2007年3月19日
肥後物産通信3月号 毛羽立ち事例
【産地状況】
暖冬の傾向ではありましたが、管理状況が良かった事もあり、生育は進み気味ではありますが、現在のところは全般に順調といえる状態のようです。
また補植苗(苗が枯れたりするのを補充する苗)も減っていないようです。
先刈りが始まる4月下旬頃まで根を健全に育成し発芽を促す管理が必要です。
また畳表生産は現在がフル稼働です。秋に比べれば良質な"い草"は減ってきましたが、
3月までは出てくるものと思います。
【毛羽立ち事例】
過去に数件ですが、畳の上にカーペット等を敷き込んで、それらが原因で毛羽立ったという事例がありました。今年に入ってからも発生しておりますので、事例を報告し他事例や今後の対策についてご意見を頂ければと思います。
▽状況
当初は「畳表の縦糸が出てきたのではないか?」という印象を受けます。
150倍の倍率で顕微鏡で見てみると、この事例では畳表の縦糸より非常に細かな化繊の繊維が見られました。上のカーペット繊維を同じく顕微鏡でみると、ほぼ同じ繊維という事でした。
▽考えられる発生原因
・冬場など比較的、空気の乾燥した時期に発生しやすいようです。
また敷物等の裏地繊維は、比較的に化繊糸を使用した物が多いようで、
衣類と同じように摩擦による静電気を発生しやすい事が考えられます。
・畳の上の敷物の上を歩いたり生活する事で静電気を発生し、
その際畳表のい草の織り込みの間に挟まってしまう事が考えられます。
・最近の床材はボードを使用したものが多く、床に含有する水分も非常に少ない事
から、発生を誘発しやすい環境となっているのではないでしょうか。
▽考えられる対策
納品時に、もし畳の上に敷物を敷けばこのような事も起こりうる事を事前に説明しておくという事ではどうでしょうか?
他業界の中には、納品時に「確かに説明を受けました」とお客様から印鑑を頂く事もあるようです。重要な事はこのような方法も検討に入れてもいいかもしれません。
投稿者松永:2007年3月19日 09:52
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