2010年5月31日

肥後物産通信5月号「新芽の先枯れと古芽の先枯れの違い」

【産地状況】
・新草の生育は天候不順から新芽の出芽、草丈の伸長ともに例年より約10日ほど遅れて
 いると聞かれます。この影響から収量減となることが予想され、残草を持越しされるところ
 が多いと思われます。
・今後、畳表の生産は6月20頃までとなり、7月に入ると全般に新草の収穫が始まります。

【新芽と古芽の先枯れの違いについて 4月号質問の補足】
先月号では、久や万にある先枯れは退色後、黒筋にはなりづらいとお伝えしました。
今回は弊社等級グラフを基に、新芽と古芽の先枯れの違いについてお知らせしたいと思います。

           

                             tsusin5-3.JPG 
・下段の試験畳表は、出芽時期(古芽~新芽)順に製織されたものになります。
・畳表は、い草の長さで選別され製織される事から、120㎝以下の原料では出芽時期の違う
 古芽と新芽が混じりあう事になります。
・久~万に格付けされる畳表は、等級グラフ中心のほぼ同時期に出芽した140㎝以上のい草
 で製織された畳表を目安にしていますので、少々の先枯れがあっても黒筋の発生は少ない
 と思われます。

◎先月号からのまとめ
<新芽の先枯れ>
・い草の灯芯が充実し、収穫適期になると先端部分の一握りほどに先枯れが表れる。
・久~万に見られる少々の先枯は、ほぼ黒筋に退色しないと思われる。
・新芽の根元は、古芽に比べ細く、色は白っぽい。
<古芽の先枯れ>
・元になる芽(親となる茎)から出芽時期が近く、老化により茎の先端から枯れが降りてくる。
・時間の経過と共に、茎全体が黒っぽく退色すると思われる。
・古芽の根元は太く堅い。色は茶色に近い。

最近では、色別センサー選別機の導入によって、120㎝以下のい草を新芽と古芽に分ける加工
努力がなされています。このことから、短い草でも品質の良い畳表を生産されるところが増えて
います。

投稿者森岡:2010年5月31日 10:30

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