2010年11月25日

肥後物産通信11月号 「中級品(比~桜)クラスの生産について」

【頂きました質問より】
Q:現在、畳表の中級品(比~桜)クラスの在庫が少ないのはどうしてでしょうか?
A:秋は一般の張替え需要が多いことから、これに合わせて最上級品・上級品(久~登)の
 1~2番草の生産が中心となります。
 また、春は中級品の需要が多いことから、糸引きなどの生産が多くなります。
 基本的には需要に合わせての生産となっていますが、生産農家の減少もあって、供給が
 間に合わない状況となっています。

◎背景
・生産農家戸数:679戸(前年:738戸)と前年より59戸 約8%減少し生産能力が低下。
・生産農家の減少に伴い、秋の需要に対して中級品の生産量が不足している。
・中級品は1反(10a)当りに織れる枚数が1番草に比べ少なく(一般に約6割)製織に手間が
 掛かる。
・11月に入ると植付準備から男手が田圃作業となり、稼動する織機は単価の良い方が中心
 となる。
・秋は需要期でもあり、綿物を織るより麻物を生産したほうが収益性が良い。
 最近では麻綿Wの需要が多く、麻綿Wが収益性が良い事から、麻シングルの出品も少なくなっ
 ている。
・綿JAS一等クラスは規格改正後18k以上の重量が必要となり、この点からも麻物に移る傾向。

◎今年を振り返り、一年を通しての産地の需給状況です。
・2-3月は例年のように生産枚数は多かった。
・4-5月は外仕事が始まり、2-3月より少なめの生産ですが十分な供給。
・6月中旬頃には生産が休止する。供給面では今年実績では、ほぼ十分な在庫でした。
・7-8月は刈り取りで思うような品が入りにくくなる。入荷がなく、ほぼ在庫だけで販売する状況。
・9月は需要期でもあり、新草を見てみようと注文が増え、相場は強含みで推移。
 今年は特に新草より古物の評価が高く、色も古物がよかった。
・10-11月は全般に品薄状態で高値傾向。9月までが暑かったせいか11月は特に動きがあり
 供給が足りない状況でした。

皆様には産地の現状を報告することで、今後の仕入れの参考にして頂ければと思います。

投稿者higo:2010年11月25日 17:48

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