2012年2月15日

肥後物産通信2月号 相場高騰と他業界事例

 2月に入りましたが、相場は依然としてしっかりしています。今後の見通しは難しいものですが、統計資料を先月号とは少し違う角度でみてみました。

JA八代の資料によると平成23年4月~12月までの扱い枚数(示談を含む)は、前年比で約23%減少となっています。農家戸数の減少が前年比7%減ですので、各農家の生産枚数の平均は計算上で約17%の減少となります。

JAmaisuu2011.jpg
(単位:千枚)
2012nouka_gensyouritu.jpg

落札平均単価は、
 ・平成22年12月が約1700円
 ・平成23年12月が約2000円
と約18%のアップとなっていますが、売れ筋の価格帯は約30%アップとなっています。
この事から、本間などの長いい草の製品の生産が少なかったと思われます。
(ここでは同じ製品の生産比率での比較のため前年の同月で比較しました。春の生産と秋の生産では、上物と下級品の比率が違うため、同じランクが同価格でも落札平均は違う事があるためです。)

 生産枚数が23%少ない中、各産地問屋では前年並みの仕入れを行おうとする事で、相場が上がる事になったと思われます。
 農家にとっては、平年作であれば大幅な収益アップというところですが、平均すると収量が上記の計算上17%少ない中、約18%の値上がりで、一般に思われている程にはないと推測する次第です。

 他業界では不作の時の相場はどのようになるものか?と思っていたところ、うなぎの稚魚高騰のニュースがありました。(2012年02月08日)
平成16年に1キログラム25万円だった取引価格が、今年は200~230万円、8倍ほどにまで高騰しているということです。養殖ウナギ生産量全国一の鹿児島県では、ウナギの稚魚・シラスウナギの漁獲量は過去10年平均の8.2%、昨年の2~3割程度との事。
畳表の場合は、このような極端な不作はこれまでありませんが、不作の比率によっては数倍になることもあるものだと認識した次第です。

http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=37988(南日本新聞社)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120210/t10015937001000.html(NHK)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120206k0000e040134000c.html(毎日新聞)

 相場高騰の主な原因は、2年続きの不作と農家減少で前年比約20%の生産減のためと思われます。
産地、消費地それぞれの流通業者は急激な高値で売れ行き不振となり、また畳店の皆様にも高値で大変ご迷惑をおかけしていますが、産地の実情をお伝えし、2年続きの不作と農家減少での高値の状況を少しでもご理解頂ければと思います。

投稿者松永:2012年2月15日 17:02

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.higobussan.co.jp/mt/mt-tb.cgi/503

コメントする