2013年12月12日

肥後物産通信1月号 「2014年 新春熊本状況報告」

 新年明けましておめでとうございます。現在の熊本の産地状況をまとめてみました。
参考情報として、今後の仕入れにお役に立てればと思います。

■生産状況
 農家では今月10日頃より生産が再開されています。今年は全般に長い草がとれていることから、本間類や五八麻の上級品の生産が多く、中級品から下級品の製品は例年に比べ少ない事が特徴です。
また今後、い草原料は全般に中間刈から早刈りへと移行していきますので、遅刈品種の「ひのはるか」の製品は少なくなり、ひのみどりを中心として、少しずつ「夕凪」が増えてくると思います。
 また昨年末は消費税の駆け込み需要や食材の偽装問題などで畳表においても国産の人気が高まり、市場での平均単価は過去最高値を記録しました。これらは今後需要に応じて変動していくと思われます。
h25_heikintanka.jpg

■原草の消化率と流通在庫
 原草の消化率は8月より新草に切り替わったところが多く例年より1ヶ月以上早いことから消化も進むところですが、今年は全般に豊作のため、差し引いて例年並みと思われます。畳表製品の流通在庫は11月の植え付け時期には供給が足りない状況となった事から、産地、消費地ともに手持ち状況は少ないと思われます。

■作付面積
 今年度の作付面積は2月に正式な発表があるかと思いますが、現在のところ前年比で約10%減の700~730ha(前年 801.2ha)、農家戸数は40戸減の567戸(前年 607戸)の予測となっています。高値ではありますが、高齢化による自然減が主な原因と思われます。
作付面積の減少は農家戸数の減少に加え、今年度産が全般に豊作であったため、原草の持ち越しを考えて減反された農家が多いようです。

■新品種の構成
 24年度実績はひのみどり58.3%(前年比0.4%減)、夕凪13.8%(前年比1.8%減)、ひのはるか17.0%(前年比2.2%増)、在来種11.0%(前年比0.2%増)でした。 (い業大会資料より弊社集計)
 新品種「涼風」ですが平成27年に原苗の配布、11月植付けが予定されることから、製品としての出回りは平成28年度の新草からとなります。

■畳表JAS規格の一部改正
 平成26年4月1日より、畳表JAS規格が新規格で流通することになります。
詳しくは次回に取り上げたいと思いますが、ポイントとしては、特等、2等規格において耳毛(根とうら毛)の長さが1cm長くなりました。
 これにより、これまでより長イを使用した畳表を検査する事になり、畳表の品行が若干向上する事が考えられます。

■お知らせ
・2月産地研修のご案内
 トップクラス生産者の製織作業や圃場を見学する事で品質の説明により幅を広げ、お客様への価値提案力を高める事を目的として、産地研修企画のご案内をいたしております。是非この機会に産地へお越し頂ければと思います。 詳しくは肥後物産通信12月号をご覧下さい。

・商品の保管機能を高めるため、床面コンクリ-ト補強工事をいたしました。
k_hokyou1.jpg
(断面写真 約10〜20cm厚みを増しました)
souko18cmup.jpg
これにより、雨天時の床面からの湿度上昇を軽減し除湿効果を高め、商品を一層大切に保管できると思います。

投稿者西:2013年12月12日 18:20

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.higobussan.co.jp/mt/mt-tb.cgi/630

コメントする