2014年6月11日

肥後物産通信6月号「産地研修報告(第5回)」

 5月は愛知県材料商社の亀井様と安城市、知立市、碧南市をはじめ、西三河地方の西三畳工組合の皆様と名古屋市の畳店様の19名来社されました。
この地域は上級品がよく出ており、また白口好みの方が割合多い地域です。
年に数回は弊社も訪問して品質面で色々なお話しをさせて頂いておりますが、それでも産地まで足を運ばれ、実際のい草の仕組みを見学された事で、施主様への提案は更に品質の高い提案につながる事と思います。

 品質の高い商品を多く扱われる方に共通するのは、「高額商品を高いと考えず、それだけの価値がある」とそこに価値を見出されているために、施主様にうまく価値を伝えられるのだと思います。この研修は、この点がつかめるようにプログラムしています。7月にも行いますので、関心のある方は是非ご参加頂ければと思います。

 最後に生産現場見学に協力頂きました、前橋様、岩本様にはありがとうございました。

(い業研究所に行く前の勉強会)
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(ヒゲの長いものと短いもので品質の違いについて)
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下記にアンケートの一部を報告します。
◎研修実施日:5月25日(日)〜26日(月)
◎参加者:19名
◎目的:お客様への価値提案力を高める
◎参加された方の目的の達成度(平均90% アンケート集計)
◎勉強した内容の理解度(平均84.4% アンケート集計)
◎研修内容 http://www.higobussan.co.jp/blog/2013/12/12-12.html

◎コメント
・本や資料で勉強したことを現実にみせていただいた。田んぼや製織の作業などを目のあたりにして、もやもやした霧が晴れた。(愛知県 S畳店)
・今回の研修でより深くイ草の事を勉強出来ました。畳屋さん自身がもっと畳表についての勉強をしなければいけないと思いました。(愛知県 O畳店)
・畳店がイ草の良し悪しを見分け、消費者にうまく説明することができれば、必然的に良い畳表がより多く売れることにつながります。それが農家の皆さんの安定経営に貢献するのではないかと思いました。(愛知県 S畳店)
・畳表に添付されるグラフの意味がより良くわかるようになり、畳表の良悪をお客様にプロとしての説明ができるようになったと思います。(愛知県 O畳店)
・大変勉強になりました。い草について知らなかった事がたくさんありました。自分なりにもう少し勉強して自信をもってお客様に伝えていければと思います。(愛知県 O畳店)
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◎7月には、刈取り体験を交えた産地研修会を行います。
今回の申込時に頂きましたご質問に対してのQ&Aです。

Q1、経糸と品質の関連について
A1、経糸が綿よりは麻の方が、また1本よりは2本の方が、重量が入りやすく、品質面では丈夫さが向上すると思います。基本的には、経糸と品質の関連についてはこのような事だと思います。

 参考まで、平成4年頃まで熊本では、ほとんどが縦糸は麻か綿の1本でした。当時、五八麻引の場合、麻1本で重量を23kg以上入れると織りがかえって悪くなる事がありました。
一方、縦糸が麻と綿の2本にすればスムーズに織られ、織りの面も綺麗に仕上がっていました。五八糸引の場合は18kgが上限で、これ以上だと縦糸を2本にしないと織りが悪くなる傾向でした。

 現在では、重量が軽いものまで縦糸が2本という状態となっていますが、ある一定以上の重量が入る場合に2本する事で、織りの綺麗さや丈夫さで意味を成すと思います。

Q2、新品種「すずかぜ」のサンプル表があれば見せてほしいです。
A2、大変申し訳ありませんが、これはまだ用意出来ません。

Q3、お客様への比較サンプルとして、い草の原草がほしいです(各品種)。できれば同じ農家さんの一番草であれば良いのですが。
A3、研修会で使用しています、1〜5段階に選別した一握りサイズの選別い草5点は、サンプル用として販売します。(3,500円、送料は別途)これでよければ是非ご利用ください。
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投稿者西:2014年6月11日 08:00

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